EMS - Emergency Medical Service

The Silent Killer – 速やかな発見と治療 –

Masimo パルスCOオキシメータ Rad-57が2007年米国で発売開始後、2008年に消防・救急・救助隊員の生命の安全と健康を守る上でのリハビリテーションの重要性により、『基準』へと大きくランクアップしました。

消防・救急・救助隊員の怪我や死亡には、医学的状態、フィットネス、そしてリハビリテーションという、3つの要素が関連すると言われております。

全米防火協会(NFPA)は隊員のためのガイドライン(NFPA 1584:緊急活動時および訓練時の隊員のリハビリテーションプロセスに関する基準)が改定となりました。この改定により消防・救急・救助隊員はSpCOを測定し安全を確認することと記載されております。

NFPA 1584
参考和訳:NFPA1584
緊急活動時および訓練時の
隊員のリハビリテーションプロセスに関する基準

NFPA® 1584

2008年度版
緊急活動時および訓練時の隊員のリハビリテーションプロセスに関する基準 (参考和訳抜粋)

第6章 災害現場および訓練時のリハビリテーション

6.1 実行基準 リハビリテーション業務は、消防署の標準的SOPであるNFPA 1500「消防署の労働安全衛生プログラムに関する基準」およびNFPA 1561「緊急業務被害管理システムに関する基準」に従って提供されるものとする。

6.2.6 医療モニタリングおよび救急医療処置

6.2.6.1 EMSは、隊員を診断し治療するために、災害現場リハビリテーションの一部として行うことができるものとする。

6.2.6.4 EMS担当者は、以下について警戒すべきものとする。
胸痛、幻暈、息切れ、虚弱、悪心、または頭痛を訴える職員

A.6.2.6.4(1) これらの症状は一酸化炭素中毒を示しており、これらの隊員はただちに医学的評価を受けるべきである。

一酸化炭素(CO)は、あらゆる火炎内に存在する無色・無臭のガスである。一酸化炭素中毒による症状は非特異的で見落としやすい。一酸化炭素の存在する現場で、一酸化炭素に暴露した隊員または頭痛、悪心、息切れ、および胃腸症状のある隊員は、一酸化炭素中毒についての評価を受けるべきである。一酸化炭素は即座に血流内のヘモグロビンと結合するため、一酸化炭素ヘモグロビン飽和度(COHb)として測定される。災害現場では、一酸化炭素は携帯型呼気COモニタまたはCOオキシメータ(一酸化炭素ヘモグロビン測定用に設計されたパルスオキシメータ)を用いて測定することができる。非喫煙者のCOHbレベルは通常0~5%で、喫煙者のレベルは5~10%である。

A.6.2.6.4(5) 隊員は自分が誰であるか、またどこにいるのかを理解できるべきである。
混乱状態の隊員は一酸化炭素中毒、高温ストレス、または心不全に陥っている可能性がある。

<一酸化炭素中毒>

一酸化炭素(CO)は無色、無臭のガスで、吸い込むと血液中の酸素運搬が阻害され、ほんの少量なら無害ですが、血液のCO濃度が高くなりすぎると中毒が起こります。また、患者の訴える内容が息切れ、痙攣発作、気絶ではなく悪心、嘔吐、体調不良、インフルエンザに似た症状であることからCO中毒は診断が困難であることも少なくありません。 また、CO中毒で長期の問題が引き起こされる場合、体調不良、記憶障害、失明、痙攣発作、運動失調、パーキンソン症候群などがあります。また、うつ、不安、人格変容といった情動障害も1年程度持続する場合もあります。したがってCOは重大な毒物であるといえます。

<一酸化炭素ヘモグロビン(カルボキシヘモグロビン)>

一酸化炭素(CO)は酸素よりもヘモグロビン親和性がほぼ200~250倍高いことから、COは酸素(O2)の200~250分の1の分圧で、正常のヘモグロビン(Hb)と可逆的に結合し、その一部は一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)になります。HbのO2結合部位と結合している割合は3%以下ですが、喫煙者では5%~10%の場合もあります。 従来型のパルスオキシメータでは『COHb』を『O2Hb』と読み違えてしまい、図のような乖離が起きています。

Masimo パルスCOオキシメータ Rad-57
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